≪キャンプ≫ ~ランタン編~

《キャンプ》

(ランタン編)

(α君)あーあ、最近ネットで放送されている某アニメを観ていたら冬キャンプしたくなってきたわー。

(β君)分かる。日々の喧騒から離れ、ひと肌恋しいほどの静寂の中で誰にも邪魔されずに至福のひと時を過ごしたい欲望は、男ならだれにもあることだと思うわ。

(α君)そう、キャンプをするといっても、ある程度の設備の整っているオートキャンプから山間部での自分たちで一から準備しなければならないアウトドアキャンプまで、キャンプをする目的とひとくくりにいっても、準備や覚悟は結構変わるよな。

(β君)確かに、自分はキャンプに必要な道具はあまり持っていないけど、ランタンだけにはなぜかこだわりを持っているわ。別にキャンプに行くわけでもないし、たまに庭で仲間を呼んでバーベキューする程度に購入した代物だけど。

(α君)こだわりがあるってことは、それなりに知識はあるってことだよね。ランタンについてどんなのもがあるか教えてよ。

 

1.ランタンの種類(前編)

(β君)おう。ランタンには【ガソリンタイプ】、【ガスタイプ】、【ガス注入タイプ】、【LEDタイプ】などの種類がある。ガソリンタイプにはホワイトガソリンなどの専用のものや、車の燃料であるレギュラーガソリンも使用する事が出来るタイプがある。両方使用できるタイプはレギュラーガソリンを燃料に使用した場合、ガソリンに含有される不純物を定期的に掃除しないと目詰まりしてしまう。ガソリンタイプは大型ランタンのため最も大光量を得られるが、事前の準備や定期的なメンテナンスの必要があるため、やり方を見たり、他のランタンに慣れてきたら試してみるといいよ。

(α君)めっちゃ知ってるな。ガソリンランタンはあこがれるけど最初から使用するのは控えた方がよさそうだな。

(β君)またガソリンの注ぎ方やポンピングと呼ばれる空気を圧縮する作業を行うのもがガソリンランタンの醍醐味でもある。何十年と使用も可能で使い込むことで愛着や渋さが出てくる。

(α君)道具を大事にする男ってカッコいいよな。

 

2.ランタンの種類(中編)

(α君)ガスタイプのランタンの特徴やメリットは?

(β君)ガスタイプにはOD缶と呼ばれるアウトドア用のガスタイプと、CB缶と呼ばれる家庭用コンロなどに使用されるカセットボンベの2種類がある。特にOD缶は内容量の割に本体価格が高く、アウトドア専門店でしか取り扱ってないなど入手面でのデメリットがある。その一方で安定したガス出力が期待でき、CB缶にあるような低温だと火が付かないなどの問題もクリアできる。またOD缶を使用したバーナーやランタンなどのオプション製品は比較的簡単な構造の為、重量が軽くなることが多い。なによりOD缶はずんぐりとした形状から安定性に優れ、アウトドアを満喫している気分を味わえるのではないかな。

(α君)ほえー。OD缶はあまりコンビニやスーパーで目にすることはないけど、いかにもキャンプに来ましたーって感じで味が出るね。

(β君)逆にCB缶はコンビニやホームセンターなどでも安易に入手ができることから手軽である。価格も100~300円/本から購入ができ、何より入手性が高く経済的である。デメリットとしては低温の場合にガスや気化しにくい面があるが、夏なら問題はなく気化する。またランタンやバーナーを接続するパーツがOD缶用と比較して重くなることが多い。

(α君)車などの足があるなら、少々パーツが重くなるのは構わないけど、全て鞄に詰め込んむ場合となると重量の軽い方がフットワークは軽いな。でもガスの中身ってそもそも違うん?

(β君)両方の内容物には液化ガスが充填されており、ブタンやプロパンなど低温でもうまく気化して燃える事のできるようOD缶やCB缶の内容物を配合している。OD缶の方が本格的な寒さでも安定してガスが出力することが多い。でも最近はインジェクター付きCD缶用ランタンもあり、寒くても安定してガスが出力されるから自分の好みで選ぶといい。

(α君)そういや各社メーカーが専用のCD缶やOD缶を発売しているけど、どれを使ってもいいん?

(β君)基本的にはどのメーカー製品でも使用はできるけど、安定したガスの出力を得たいのなら純正を選ぶ方が賢明かな。

(α君)あと、気になっていたガス注入タイプって?なんか響きが危なそうやけど。

(β君)ガス注入タイプはガスランタンの底部にガス貯めが付いており、そこにCB缶を接続してガスをランタン内部に補充する形式である。一般的なガスランタンと比較してガスボンベを接続する必要がないため小型サイズになるが、ガスを注入させる際のロスが少なからず発生し、燃焼時間はCB缶のものより短くなる。

(α君)なるほど、経済的なCB缶を使用する方が安くなるんだね。思ったんだけど内容物のガスの成分があまり変わらないなら、OD缶は高いという理由で、CD缶の中身をOD缶に移すことは可能なのかな。

(β君)実際はOD缶は高くつくためCB缶のガスをOD缶に移すことでコストを下げたいユーザーのニーズにこたえ、”詰め替えくん”なるものが発売されている。名前通り安価なCD缶のガスの中身をOD缶に移し替えるわけだが、本来のOD缶の中のガスと仕様が異なるので、完全に元のOD缶の中身と同様ではない。

(α君)やっぱあるんやな。

(β君)いくら経済的だからといっても、この詰め替え自体は2~3回が目安であくまで自己責任であることを念頭に入れる事。それと自己責任だからね。

(α君)なるほど、初心者にはガスの詰め替えまでは想定しなくても、CD缶を用いたランタンが無難な気がしたわ。

(β君)そうそう、そういえば言う事がまだあった。ガソリンランタンとガスランタンはマントルと呼ばれる光源を予め作っておかなければならない。

(α君)マントルってなあに?

(β君)まずはマントルを”から焼き”することにより白い残留物(以下、マントル)が得られ、それが光源となる。このマントルは非常にもろいため、周囲をホヤと呼ばれるガラスで防御している。そのため、マントルの替えは常備しておいた方がよいだろう。

(α君)頭でイメージしにくいから、実際に取り付けている動画を参考にした方がいいかな。

(β君)はじめはうまくいかない方が多いから、経験者と一緒に取り組むのがいいかも。

 

3.ランタンの種類(後編)

(β君)最後にLEDランタンについてお話しするよ。LEDのランタンはバッテリー式と乾電池式に分類ができる。バッテリー式は充電する事により繰り返し使用することができ、USB接続によっては他のモバイル機器に給電することもできる製品もある。

(α君)モバイルバッテリー付きのランタンってことね!緊急時にはスマホの給電も可能なタイプ。

(β君)電池式は主に単1~単4までの乾電池を複数本使用する事により点灯が可能となる。本体の温度も熱くならず、安全性から室内での使用に適している。ちょっとした移動や手元を照らす明かりが必要な場合は心強い。最近はLEDでも十分明るいしね。

(α君)確かに他のガソリンやガスと比べると小回りがききそうやね。

 

4.それぞれのコストパフォーマンスについて少し

(α君)結局どれがコストパフォーマンスとして優れているのかな。

(β君)真のキャンパーはコスパでランタンは選ばない。冬山で百均のランタンなんか使えないだろ。かといって、金持ちがブガッティの燃費を気にしてちびちび運転する事がないように、ガソリンランタンを一番弱い明かりで長時間過ごすこともない。その時の用途に合ったランタンを持ち出すことが多いと思う。でもいい着眼点だとおもうから、自分も少し考えてみたことがあるんよ。

(α君)怒られたと思ったら、お前も考えたことあるんかい。

(β君)参考までに一般的なランタンを基にコストパフォーマンスを考えてみる。例えばガソリンはコールマン製のホワイトガソリン4ℓで約2,600円がある。同じくコールマンのガソリンランタンで容量920mlで満タン時は約7~14時間の燃焼が可能な場合を想定する。仮に最短の7時間の燃焼が可能とした場合、86円/hとなる。((2,600円/4,000cc)×(920cc/7h)≒86円/h)もちろん自動車用無鉛レギュラーガソリンを使用するとこの限りではない。

(α君)思ったよりかなり安いな。火力を下げればもう少し長く燃焼できるんだね。

(β君)次にCB缶タイプは1缶100~300円が多く、間を取って200円/本を想定する。Soto製のST-700を使用すればカタログ上4.5時間は燃焼するとある。もちろん今回も同じメーカー製のsotoのランタンを用いた場合の場合だよ。これによると44円/hと計算できる。(200円/4.5h)OD缶を使用した場合は3倍程コストが高くつくことを想定すれば、以下にCB缶のランタンのコストパフォーマンスが良いかわかる。

(α君)意外とガスランタンも安いんだね。

(β君)最後に内蔵バッテリータイプや乾電池を使用するタイプの場合は、内蔵バッテリー容量や使用する電池の大きさにより使用時間が変わる。特に単3電池の場合においては単1と比較して光量や持続時間が短くなる傾向にある。

(α君)具体的な値段は提示できないんだ。

(β君)電池は値段のばらつきがあるからね。内蔵バッテリータイプは一度購入すれば充電代だけなので一番安く上がるはずだよ。

 

5.実際に使ってみるときは・・・

(α君)実際は、それぞれのランタンにもメリットやデメリットがあることは理解できたよ。それぞれの特徴を理解したうえで使用しなければいけないんだね。

(β君)そう、それぞれのランタンにも適した用途があり、サイト全体を照らす場合は最も明るいガソリンかガスが好ましい。室内や手元の明かりを照らすにはLEDランタンが望ましい。

(α君)夏場は特に虫が光に寄りやすく、女性や子供は嫌がることが多いから、ランタンを設置する場所も注意した方がよさそうやな。

(β君)一応は対策として、離れた場所に照度の大きいランタンを囮に設置して、サイトは少し暗いサブのランタンを用いる場合もある。またランタン自体はサイト全体を照らしたい場合は頭上からが望ましい。

(α君)簡単に言うけど、ランタンをテーブルに置くと眩しいし、影になることもあるんだぜ。

(β君)その場合はランタンスタンドを利用し、少し高い位置から全体を照らしてやると、影にもなりにくい。周りの人が眩しさのために、まともに会話ができなくなることもなくなる。眩しい、熱い、虫が来るとなると折角のキャンプ気分も萎えてしまうからね。

(α君)普段の日常から非日常であるキャンプに来た際は、ランタンもいいけどローソクの火を見ながら、仲間と談笑したり、しっぽりと飲むのもオツやな。

(β君)キャンドルランタンもあんで。

(α君)そんなんもあるんや!おもしろ~。